講習会を終えて

第8回埼玉環境適応講習会を終えて

埼玉環境適応講習会 支部長  保谷 勝義

 埼玉環境適応講習会が今年も終わりました。私はもう53年間も生きていますが、3日間という時間の流れがここまで短く感じたことはありませんでした。きっと参加して頂いた多くの方々と濃密で充実した時間を過ごせたことがそういう風に感じさせたのだと思います。
 今年で8回目の開催になりますが、今回程多くの不安を抱えたまま臨んだことはありませんでした。ここ数年で最大といわれる台風の接近、デモンストレーションに協力して頂いた患者さんの心理状況(ご挨拶に病室にお伺いした際、“今日が亡くなったお父さんの49日なんです。これもお父さんの導きかもしれませんね。喜んで参加致します”と涙ながらに了承して頂きましたが・・)等、いろんなことが絡み合っていたので、いくら能天気な私でも数日間は思い悩んでいました。
 しかし、いざ開催日になると、台風も日本海側にそれて快晴になり、心配していた受講生さんたちもなんとか来ることができました。そして、“もしかしたらデモ中に精神的に不安定になってしまうかもしれない”と懸念していた患者さんも3日間の柏木先生の治療を受けて恐ろしい程良くなっていきました。歳よりだいぶ老けて見えた顔がどんどん若くなっていき、閉じたくても閉じれなかった両眼を閉じれるようになり、また、ご本人が恋い焦がれたコロッケが食べれるようになり・・・実はこのコロッケは、昔ご家族みんなが好きでよく食べた大切な思い出の食べ物だったので、ただ美味しかっただけでなく、ご本人には食卓を囲んだご家族の楽しい団らんが思い出されていた筈です。そして、最後に冨田先生から患者さんに送られたエール・・ご家族だけでなく、受講生も参加したスタッフも、柏木先生による奇跡を目のあたりにし、非常に感動しました。私も患者さんに感情移入してしまっていたので、皆さんが帰った後のスタッフミーティングで不覚ながら泣いてしまいました。
 今回の埼玉環境適応講習会は大成功だったと思います。でも、これは柏木先生だけでは成し遂げられなかったと思います。講習会を陰から支えてくれたスタッフの方々、多忙な立場にもかかわらず、非常に完成された講義資料を作成し、盛り上げるための努力をして頂いた講師の方々、毎年お忙しいのに駆けつけて頂いているアシスタントの方々、そして、どのような提示に対しても笑顔で且つ積極的に取り組んで頂いた受講生の皆様方、この誰か一人が欠けてもこの成功には繋がらなかったと思います。本当にありがとうございました。
 時代とともに私たちを取り巻く医療情勢は変容しています。でも、いつの世も患者さんの“良くなりたい”と気持ちは変わりません。環境適応講習会は患者さんのそのような気持ちに応え、そして確実に結果が出せるような仲間を増やしていく共同体だと思っています。是非これからも環境適応講習会に参加して頂き、この動きが全国に波及して、医療を変えていけるような・・夢物語に聞こえるかもしれませんが、そんな気概を持ち続けてこれからも取り組んでいきたいと思います。これからも宜しくお願い致します。

2015.7.27